相続手続きとは、相続開始後に行うもので、下の図の右側で行う手続きを言います。

相続放棄をする場合は相続の開始があったことを知ったときから3ヶ月以内にしなければなりません(例外はあります)。

相続手続の一般的な流れ

相続人の確定
戸籍を収集して、特定します。
遺産分割協議
相続人全員で協議を行い、遺産分割協議書を作成します。
名義変更
遺産分割協議に基づき、残された財産の名義の変更を行います。

事例紹介

祖父の相続手続きがまだ済んでいない -名義変更未了の不動産-

お父様を亡くされたAさんが相談に来られ、同居していた自宅不動産の名義をAさん名義に変更したいとのご依頼で、調査したところ、当該不動産の名義がAさんの祖父の名義でした。

この場合、Aさんのお父様のご兄弟(ご兄弟が亡くなられている場合は従兄弟)全員に連絡をとり、不動産をAさん名義にすることに同意を得なければなりません。

音信が途絶えている叔父様・叔母様がおられる場合、手続きにかなりの時間を要します。

相続発生時には、放置せず、その時に手続きをとることが大切です。

また、2024年をめどに土地や建物の相続を知った日から3年以内に登記するよう義務づける法律が成立しました。

介護した親族に特別寄与料を渡したい

Aさんは、Aさんのご主人の死後、長年にわたりご主人の両親の介護をされていました。

今般、ご主人のお父様が亡くなられたことにより、相続手続きを行う必要があり、ご主人のご兄弟とともに相談に来られました。

長年介護をしてきたAさんの苦労に報いたいとの、ご主人のご兄弟の希望がありました。

民法改正により、2019年7月1日以後開始の相続については、特別寄与料の制度が設けられ、相続人以外の親族で被相続人に対して特別な寄与をした者はその貢献が考慮され、相続人に対して特別寄与料を請求できるようになったのです。

ただし、特別寄与料を請求できる特別寄与者は以下の2つの要件を満たす必要があります。

  1. 被相続人の親族であること
  2. 被相続人に対し無償で療養看護その他の労務を提供したことにより、被相続人の財産の維持または増加について特別の寄与をしたことが証明できること

相続人が28人

遺言書を作成することで相続発生時の問題を未然に防ぐことができる場合があります。